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BSNラジオ「ふるさと散歩」
プレセペ
4つの星に囲まれた美しい星団の姿は双眼鏡で楽しめます。
0002・「春の空に輝くプレセペ」
 さくらが咲く季節、今年は晴天の日が続き、いつもよりも星空が身近に感じられるような気がします。これから連休にかけては月の出がだんだん遅くなりますから、星を見るチャンスと言えそうですね。
 よく「春の星座」とか「夏の星座」という呼び方を耳にしますが、これはその季節の宵の時間に頭上から東の空にかけての見やすい位置に輝く星座を、その季節の星座として呼んでいるものです。
 今は春ですから、夜の8時頃外に出てみると、頭上から東の空一面に春の星座が広がっています。また、西の空には冬の星座が輝いて、冬を代表する星座「オリオン座の姿」もまだまだ楽しむことができます。
 さて、春の星座は北斗七星が形づくるおおぐま座や、南の空にはうみへび座おとめ座など、とても大きな星座が多いのですが、そんな中小さいながらも存在感を示している星座があります。それが「かに座」です。
 今頃ですと、夜の8時頃、真南の空の高いところを探してみて下さい。月のない郊外の澄んだ空なら、ボーッと輝く小さくぼんやりとした光のかたまりが分かるはずです。 
 少し暖かくなってうっすらと霞のかかったような春の空にかがやくこの光を、昔の人達は薄気味悪く思ったのでしょうか。
 その光を中国では死体から立ち上る「妖気(ようき)」と感じていたそうです。
 そんなイメージも双眼鏡を向けてみると一変します。たくさんの星が集まって輝く美しい姿が飛び込んできます。これは「プレセペ」という名前呼ばれている天体す。ラテン語では、家畜にえさをやる時に使う「飼い葉桶(かいばおけ)」の意味があるそうです。
 プレセペを囲むように並ぶ四つの星が形づくる四角形がかに座の甲羅(こうら)の部分にあたります。    沼澤茂美


かに座:今頃なら、午後8時南の空高く(ほぼ頭の真上)に輝きます。

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