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● 0003・「緑色の大火球」
先日、晴天が続いたある日の夕方、もうかなり暗くなった時刻に友人から電話がかかってきました。「緑色の明るい大火球(だいかきゅう)が見えたんだけど。目撃報告はなかったか?」というものでした。火球とはひじょうに明るい流星のことを言います。明確な基準はないのですが、マイナス4等星の明るさを放ち、「宵の明星(みょうじょう)」や「明けの明星」として知られる金星程度の明るさがあれば「火球」に間違いありません。まれに半月や満月に相当するほどのすさまじい明るさのものも目撃することがあり。これらは「大火球」と呼ばれています。 新潟では雲に覆われることの多い冬の季節には目撃例が少ないのですが、春や秋にはとても多くなります。これは仕事から帰宅する時間帯と薄暗くなる時間帯が重なっていて、多くの人が空を見やすい環境にあるからだと考えられます。 普段見ることのできる流れ星は、直径1ミリほどの塵が地球に飛びこんで大気との摩擦で発光する現象だと考えられています。しかし火球になると、その正体は小惑星のかけらだとされています。ほとんどのものは大気中の摩擦によって蒸発してしまいますが大きなものは燃え尽きずに地上に落下します。それが隕石です。 火球、特に大火球が飛んだ時は、目撃した場所と時刻、そこから見た火球の経路を記録しておくことことをお奨めします。 どの方角のどの程度の高さから見え始めどの方角へ飛んでいったか、消えたか見失った時の高さと方向はどうか・・。これらは、隕石捜査のための貴重な手がかりになります。このようなデータは、「日本(にほん)流星研究会」のホームページ上に報告することが可能です。データが様々な場所からたくさん集まると、正確な落下場所が特定されるとともに、その隕石が宇宙空間をどのような軌道で飛行していたかも計算されます。 難しいことは抜きにしても、空を切り裂くような突然の閃光は感動的なものです。仕事帰りにちょっと上空を気にして見てはいかがでしょう。 沼澤茂美
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