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BSNラジオ「ふるさと散歩」
リング消失の様子(QuickTime ムービー)
0006・「しし座に輝く土星をみよう!」
 皆さんは土星のリング(環としてもかまいません)を見たことがありますか?
 今年はガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を天体に向けた日から400年を迎える年、それを記念して「世界天文年」と定め、星空や天文学によりいっそう親しんでもらおうという試みが全世界で行われています。
 ガリレオが望遠鏡で土星を見たときの様子は、彼が1612年に発表した報告書に記されています。
「この様な天体は今まで見たことのない。この驚くべき奇妙な点について、なんと説明してよいか分からない。」
 彼が使用した望遠鏡は、あまり性能の良いものではなかったため、土星のリングをはっきりととらえることができず、耳をもった丸い天体に見えたのだそうです。彼はそれが土星をまわる大きな衛星だと考えていたようです。そして、天文学者達をさらに驚かせたのは、それから2年後に土星の奇妙な耳は姿を消してしまい、それから1〜2年後、耳は不思議なことに、以前より大きくなって戻ってきました。ガリレオはその正体について、未知の理由によって大きくなったり消えたりするある種の「腕」であると考えました。
 約半世紀後、オランダの科学者ホイヘンスがより優秀な望遠鏡を使って観測し、1659年にガリレオが考えていた腕のようなものが、実は本体を取り囲むリングであることを発見しました。リングは非常に薄く、土星の軌道に対して少し傾いているので、土星が太陽の周りを29年かかって一周するとき、地球から見るとその幅も変化して見えます。そしてリングを真横から眺める時、リングは消えたように見えるのです。その「土星の環が消えて見える」のが今年の8月と9月に迫ってきています。
 そのため、最近の土星は、リングがとても細く、まるで土星本体に串が刺さったような、団子のようなおもしろい姿に見えます。
 今頃ですと、土星はしし座にあり、暗くなると南の空の高い位置にとても明るく輝いているのですぐにわかります。小さな望遠鏡でもその様子はよくわかりますし、県内の公共天文台の観望会に出かけてみるのも良いでしょう。    沼澤茂美


1930年クーリックらの観測隊によって撮影されたチェルギムの河口近くフシマ川の左岸


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