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BSNラジオ「ふるさと散歩」
山古志のため池に写る夏の天の川(2007年6月)
■水田に写る星は「にいがた星紀行」にも掲載されています。
0007・「水田に写る星空」
 最近どこへ行っても夜間の人工の明かりの影響は皆無ではありません。人工衛星が写した地球の夜の画像を見ると驚かされるのは、日本は真夜中でもはっきりと日本の形が光り輝いて見えるということです。いかに人工の光が多いかと同時に、夜間の電力消費量の大きさも感じさせるものです。そんな中で、県内の山間部には日本でも有数の美しい星空が輝いていることも実感しています。
 4月の終わりから、5月末頃にかけての短い期間、県内各地の穀倉地帯の水田が水で満たされ、植えられた苗がまだ短い頃にとてもすばらしい体験をすることができます。
 この頃、夜半前にはすでに夏の天の川が東の山々の上にかかっていて七夕の星々も明るく輝いています。ふと足下に目をやると、夏の明るい星々が山の下にも輝いているではありませんか。星々が水田に写り、逆さ富士ならぬ地上の星空を作り出しているのです。水田の中をよーくのぞき込んでみると、かなり暗い星まで写っているのがわかります。
 頭上も、そして足の下もすべてが星で満たされた光景は、まるで宇宙のただ中にいるかのような感覚です。そんな体験を、澄んだ空のもとであぜ道に立つだけで体験できます。
 水面が鏡のように止まった無風の夜、放射冷却によって冬の寒さを感じさせるそんな時に、早朝の静けさの中にさらに印象的な光景が作り出されることがあります。南の空にそそり立つ天の川の明るい部分が水面に映り、天と地の天の川がつながって見える光景です。 
 県内の水田の状況は場所によって差がありますが、苗が長くなると水田の星も見にくくなってしまいます。米どころ新潟ならではの星空の情景を楽しんでみてください。
                             沼澤茂美


胎内市の水田に写る星空(2004年5月)


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