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BSNラジオ「ふるさと散歩」
2001年6月21日、アフリカのザンビアで撮影したひまわり型のコロナ。
■皆既日食のトピックスは「にいがた星紀行」にも掲載されています。
0009・「皆既日食のコロナ」

 先週に引き続き、皆既日食の魅力について紹介したいと思います。
 人生観を変えてしまうと言われる皆既日食のハイライトは「コロナ」と呼ばれる現象です。
太陽が月に完全に隠されたとき、正確にはその直前の太陽の光がわずかに残っている状態から見え始めるのですが、黒い太陽の周りに真珠色のベールのような光が取り巻いているのがわかります。これがコロナです。コロナは太陽の近くは明るく、外側に行くにつれて淡くなり背景にとけ込んでいます。コロナの広がりは、肉眼でも太陽の直径の3〜4倍に及びます。太陽近傍の部分を「内部コロナ」、外側を「外部コロナ」と呼んでいますが、よく見ると内側から外側に向けて刷毛で掃いたような模様や、湾曲した筋模様など、とても複雑なディティールがわかります。太陽の縁に沿って、赤い色をした炎のような模様も見えます。これは「プロミネンス」とよばれる現象です。
  コロナの正体は100万度に達する高温のガスです。太陽表面の温度が約6000度ですから、それよりも遙かに高温です。コロナの形は太陽活動の状況によって変化し、約11年の太陽活動の周期に合わせていくつかのタイプに分けられます。全方向に均一に広がったものは「ひまわり型」と呼ばれ、太陽活動の極大の頃に見られるコロナです。逆に太陽活動が低迷した頃に見られるコロナは、東西の二方向に伸びた「東西型」となります。現在太陽活動は極小期を過ぎているはずなのですが、実際の観測ではまだ低迷期を脱していない状況です。今年の皆既日食のコロナはどんな形になるのかとても楽しみなところです。
 太陽活動の極小期に見られる「東西型」のコロナは、古代エジプトの王のレリーフなどに描かれている「有翼日輪(ゆうよくにちりん)」ではないかという説があります。有翼日輪とは、丸い太陽の左右に翼が生えたもので、東西に延びたコロナが太陽に生えた翼に見えたのかもしれません。
                             沼澤茂美


1995年10月24日にインドで撮影した東西型のコロナ。


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