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BSNラジオ「ふるさと散歩」
ホタルとさそり座
■皆既日食のトピックスは「にいがた星紀行」にも掲載されています。
0012・「夏の天の川とホタル」

  新潟県内は梅雨まっただ中ですが、こんな時期に星空は期待できるのでしょうか?実はこの時期、県内は時々大陸の高気圧に覆われて晴れることがあります。このようなときはなかなかすばらしい星空が期待できます。
そんな日こそ、夏の天の川や一足早い七夕の星空が最もきれいに見える日と言っても過言ではありません。
 これが梅雨が明けた後では、今のような空はなかなか望めなくなります。水蒸気の多い太平洋高気圧に覆われるため、晴れても遠くがかすんだような天気となり、星の輝きも今ひとつさえません。
 今頃の星空は、夜半前にはすでに夏の天の川がとても高く昇っています。七夕の織り姫、こと座のベガが、今頃のちょうど夜半に頭の真上に位置し、「真夏の夜の女王」という異名にふさわしい輝きを放っています。
この頃の一押しは何と言っても空を二分する天の川の姿です。市街地を離れて郊外へ出かけると、その輝きも迫力を増してきます。
頭の真上のベガの東の天の川は、銀の砂をまいたような輝きを示し、南の低い空の方にたどってゆくと天の川の輝きは次第に明るく、その幅も広くなってゆきます。
よーく見ると、天の川の中には複雑な濃淡があることに気がつきます。もし双眼鏡があれば、天の川の眺めは一変するでしょう。
雲のように見えていた光の帯は、たくさんの数え切れないほどの星の集まりであることが分かり、その中に大小の星の密集した部分や、ぼんやりした雲ような光が視野を横切ってゆきます。
 そんな天の川の流れを地上までたどってみると、この時期にはたくさんのホタルに遭遇するかもしれません。山沿いの圃場整備を逃れた水田や小川の近くには、いまだ多くのホタルを見ることができます。今の時期から7月のはじめまでが両者の輝きを楽しむチャンスです。空には天の川、地上には蛍の光が乱舞する。そんなひとときを楽しんでみませんか?
                             沼澤茂美


西に傾く月と山里のホタル


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