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● 0015・「ツングスカ大爆発の日2」
1908年の6月30日の朝、中央シベリアにすむ人々は太陽のような光が上空を通過するのを目撃しました。火の玉は大音響とともに落下し、周囲は大火災が発生しました。現地の人々はそれが悪魔の仕業と信じたのですが、その大事件の影響は世界中の各地に異常現象をもたらしました。 落下地点に最も近い、当時では最も先進的だと言われるイルクーツク気象台の地震計は、イルクーツクの北方900キロの地点に起こった不思議な横揺れの地震を探知しました。その揺れがあまりにも異常だったため、公表がためらわれたほどだったそうです。 現地から大西洋に至る広い範囲で約1ヶ月間にわたって、異常に明るい夜空、空の放電現象などが観測されました。ヨーロッパでは、大爆発の日から翌日まで、実質的に夜がなかったと記録されています。夕焼け空が翌朝の朝焼けまで続いたのです。特に北の空は異様に明るかったそうです。 カリフォルニアの気象台で大気の透明度の研究を行っていたアメリカの天文学者は、7月の前半の透明度が異常に低下していることを観測していますが、火山活動などの報告がなかったためにその原因に悩んでいました。それがツングスカ大爆発に関係していたことが分かったのはかなり後になってからです。 ツングスカ大爆発の事件は、空から何かが降ってきたことを示すものでしたが、実際に科学者が現地を訪れたのは、事件の年から19年を経過した1927年のことでした。 ソ連アカデミーの科学者「クーリック」は、そこで広大な面積にわたってなぎ倒された「死の森林」を目撃しました。彼は生涯そこに落ちたと思われる隕石の捜索に取り組みましたが、隕石は発見されていません。 現在では、この原因が彗星のかけらの落下ではないかと考えられています。彗星は氷と塵の固まりなので、大爆発で蒸発してしまっただろうというのです。果たしてその真相はどのようなものなのでしょう。 関連画像をhttp://skywatch.jp
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