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BSNラジオ「ふるさと散歩」
北斗七星(左)としし座に流れる明るい流星
第34回----11月24日

「しし座流星群を求めて」

 先週のしし座流星群は皆さん見られたでしょうか?17日から18日にかけての天気は全国的に悪く、特に県内は全域で雨が降るあいにくの天気となりました。しかも近隣の地域もあまり良くなく、どのような対応をとろうか迷っていました。
 最終的に、早朝に天気が好転するかもしれないという予報を頼りに、私たちは有志4人で群馬県の赤城山麓を目指すことにしました。
現地に到着した時は午前2時半を過ぎた頃でしたが、幸いにも薄くなった雲を通してすでに星が見え始めていました。雲量は多いもののしし座流星群の流星がすぐに確認でき、私たちは3時から観測を開始しました。流星の観測は、主に個数や明るさなどを肉眼で観測して記録する計数観測と、ビデオやカメラを用いた観測があります。そして、双方を同時に行うことでより正確なデータを得ることが可能になります。
 雲の多い時間にも明るい流星が頻繁に流れていました。オレンジ色をした明るい流星は「しし座流星群」の流星の典型的なものでした。4時を回ると雲はほとんど無くなって暗い星もよく見えるようになり、個数も増えてゆきました。最も多く流れたのは4時半から5時の間で、30分間に1人で約15個を数えました。これを理想の条件下の観測に変換した値は1時間あたり90個以上になり、これは、予報値に近いものでした。
 時折木星や金星ほどの明るさを持ったまばゆいほどの流星が流れ、歓声が上がル一コマもあり、寒さを感じさせない変化に富んだ観測だったと感じています。
5時頃から徐々に薄明が進行し、5時40分にもなるとかなり明るくなってきました。予想ピークは午前7時前ですが、個数が増える気配もなく、6時に終了して帰路につきました。
 その後、ネット上に発表された速報では、電波を使った観測などから、午前6時頃に鋭いピークがあり、出現規模も予想に近い結果となったことが記されていました。
   

沼澤茂美


18日未明しし座流星群ビデオ


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