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BSNラジオ「ふるさと散歩」
約10分間に記録された5個の流星と輻射点
● 第38回---12月22日

「新潟で見えたふたご座流星群」

 今日は先の13日から15日にかけて出現のピークが観測された「ふたご座流星群」についてお話したいと思います。
13日は冬型の気圧配置となってしまい、県内は曇りのところが多かったのですが、夜間には雲の切れ間から星が見えるのが確認されました。私は一旦は群馬県側にむかう予定で南下したのですが、最終的には新発田市の二王子(にのうじ)岳の山麓の丘陵地に落ち着きました。集まった観測者は3名、翌日が月曜日と言うこともあり、参加を断念した人がいたのは仕方ありません。
 観測開始は1時を回っていました。あいにく先ほどまで見えていた星空は雲に覆われ、全体の70パーセント以上が隠されてしまいました。しかし、そんな条件でも1等星よりも明るい流星がいくつか認められ、期待を持たせてくれました。一時雲が全天を覆ってしまう時間帯もありましたが、2時半頃から徐々に晴れ間が広がり、3時頃には全天が星空となる幸運を得ました。それと同時に見える流星の数も増加してゆきます。30分ごとに集計してゆくのですが、最も多かった3時から3時半の間は、多い人で50個のふたご座流星群の流星を数えました。
この限られた短い時間に撮影された画像には、ふたご座流星群の明るい流星が5個も写っていました。これは非常に多い数です。
 3時半を回ると再び雲がわき始め、見える流星も減少してきたのですが、その時です。午前3時41分に雲を通してまばゆい閃光が地平線めがけて走りました。春の星座「コップ座」の付近です。白い色の流星が多いふたご座流星群ですが、その大流星は青緑色に輝いていました。明るさはマイナス5等級、これは金星よりも明るいことになります。
 その後は次第に増え始めた雲が晴れることはなく、私たちは4時半に観測を終了しました。
 当日はあいにくの気象条件だったわけですが、そんな中で短時間でも観測できたことはとても幸運だったと言えます。
 その後の観測速報は、今回のふたご座流星群が2003年以来の活発な活動だったことを告げていました。
沼澤茂美


マイナス5等級の大流星(魚眼レンズ)。下はその拡大写真


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