BSNラジオ「ふるさと散歩」 |
*画像をクリックすると拡大します |
金環日食の経過/5分おき(35mmF2 EOS 1Ds mk3) |
雲に隠れる金環の太陽(70-300mmF4.5 EOS 1D mk3) |
|
近著のご紹介
|
|
|
● 第43回---01月26日
「中国で見た日没前の金環日食」
先日15日の金環日食は、中国の青島(チンタオ)で撮影に成功しました。青島は、新潟から韓国インチョン空港を経由したばあい、最も近い中国の大都市と言えるでしょう。特に緑色のビンでおなじみ「青島ビール」の産地として知られていますが、それは長年ドイツの租借地(そしゃくち)としての歴史がもたらした恩恵の一つです。ドイツの名残は美しい赤い屋根の家並みにも見て取れます。それらの旧市街と、超高層ビルが林立する新市街とが調和した魅力あふれる街です。
今回の金環日食の終点に当たるこの地では、日没間際の赤い太陽が、リング状に形を変え、まわりの風景とともに幻想的な口径を見せてくれることが期待されました。
日食の当日、薄もやのかかった空に太陽が輝いていました。そしてその状況は改善されずに午後3時半すぎに太陽がかけ始めました。私たちはその状況をホテルの七階のベランダからとらえていました。外気はマイナス5度程度、風もあり、ホテルの部屋を利用できるのは本当に助かります。眼下に広がるビーチ付近には望遠鏡をセットした何人かの人たちが見て取れ、多くの人で人垣ができていました。
我々のホテルには数グループ100人程度の金環食観測ツアーの日本人が宿泊していたようで、多くの知人に会うことができました。
太陽は約1時間かけて次第にかけてゆきましたが、途中雲の濃淡を通り過ぎるたびに太陽の光は変化し、金環日食まで太陽が見え続けるのだろうかと危ぶまれました。
太陽はどんどん細くなります。現地時間午後4時55分。細い角のようになっていた太陽の端がついにくっつき、見事なリング状の姿を見せました。日没直前の水平線上の太陽は雲に減光されて肉眼でもリング状の姿がよくわかり、周囲からは歓声が上がりました。
道路では、思わず車を止めて見入る人がいるのか大渋滞となり、クラクションの音が激しさを増しています。
金環となった太陽はその直後に下の方から分厚い雲に隠れてゆき、再び輝くことはありませんでしたが、91年オーストラリアで見た金環日食以来の久々の体験に、やはり自然が作り出すすぺくたくるなイベントの壮大さと美しさを感じないではいられません。
細い太陽がつながってリング(金環)になった直後(1280mm EOS 5D mk2) |
金環日食直前からの映像(900mm EOS 1D mk4)-Quick Time で再生して下さい
|