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BSNラジオ「ふるさと散歩」
太陽のハロ現象
近著のご紹介
● 第51回---03月30日

「見上げる空に不思議な現象」

 流星群や皆既日食、オーロラなど、天界には様々な感動的な現象が起こることが知られています。しかし、中には突然現れて人々を驚かすものも少なくありません。月ほどの明るさをもつ巨大な流れ星「大火球(だいかきゅう)」などはその最たるものですが。この時期から五月の連休過ぎ頃に目撃例が多い現象に「幻日(げんじつ)」と呼ばれる現象があります。太陽の左右にもう2つ、合計3個の太陽が空に輝いているように見える現象です。この現象は、太陽のハロ現象とも呼ばれており、大気の上層に浮かぶ氷の粒に太陽の光が反射、屈折して起こる現象です。幻日の見える日は、太陽を取りかこむ大きな環、「かさ」や、太陽から垂直に伸びる光の柱「太陽柱(たいようちゅう)」、そして傘の頂上に光る弓の形をした「アーク」と呼ばれる現象も見えることがあります。条件が良ければこれらの現象は空全体に広がっており、壮観な眺めとなります。
過去には1996年3月、97年5月、また、近年でも毎年のように見られ、新聞紙上にのったりしています。快晴の日よりも、少しもやがかかったような下り坂の天気の日が目撃件数が多いようです。
さて夜の月に関わる不思議な現象というのもいくつかあります。「ムーンボウ」もその1つです。これは月の光によって起こる虹です。ハワイ諸島など、夜間に天気雨が降るようなところでは比較的見やすく、日本でも条件がととのえば見ることが可能です。
もう一つ、最近知られるようになり、見学ツアーまで作られるようになったのが西オーストラリアのブルームという海岸で見ることのできる「月への階段」です。月が海の上に輝くとき、海に反射した光がまっすぐな帯となって月まで伸び、まるで月にかかった階段のように見えるというのです。なかなか興味深い現象です。
さて、一年間続けさせていただきました「にいがた星紀行」も、今回をもって終わりとなりました。この一年、日食や流星群、県内の話題などたくさんありましたが、星空の話題はこれからも尽きることはありません。ふたたび皆さんのお耳にかかる機会を楽しみにしたいと思います。どうもありがとうございました。

沼澤茂美

ハロ現象の解説図

「にいがた星紀行」野島出版より好評発売中
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